就活が進まない子に「焦れ」と言ってはいけない理由

親として、わが子が就活に本気にならない姿を見ると、不安と焦りで胸が締めつけられると思います。
「このままでは内定ゼロのまま卒業するのでは…」
「少しは危機感を持ってほしい」
そんな思いが募るあまり、つい口を出したくなるものです。

けれど実は、子どもが動かない最大の原因のひとつが “親の焦りの言葉” です。
そしてこれは、決して親が悪いわけではありません。
良かれと思ってかける言葉が、子どもの行動を止めてしまう構造があるからです。

この記事では、
「焦れ」と言うほど動けなくなる理由
子どもが行動できるようになる関わり方
について解説します。

目次

親が焦ると、子は「責められている」と感じることがある

まず押さえておきたいのは、
親がどれだけ優しい気持ちで言っていても、
子どもはそれを「責められている」と捉えやすい、ということです。

「就活は今どんな感じなの?」
「そろそろ面接対策した方がいいんじゃない?」
「周りはもう動いてるよ」

子ども

「また言われた…」
「何からやればいいのか…」
「やろうと頑張ってはいるのに」

このすれ違いは、親子だからこそ起きる構造的な問題です。

なぜなら、
親は “正論を伝えている” つもりでも、
子どもは “否定されている” と受け取る
からです。

就活は「自己否定の連続」だから、心が弱りやすい

就活は、表向きは「企業選びの活動」ですが、実態は違います。

エントリーシートは落ちる。
面接で落ちる。
GDで落とされる。

就活は**自分自身を評価され続ける「自己否定の連続」**です。

その中で最もつらいのが、
「何が悪いのか、本人がわからない」という点。

  • ESが悪いのか
  • 志望動機が弱いのか
  • 話す内容が伝わっていないのか
  • そもそも企業の選び方が間違っているのか

原因は細分化されているのに、本人には見えないまま落ち続ける。
その状態で「焦れ」と言われても、余計に心のエネルギーが削れて動けなくなります。

なぜ「焦れ」が逆効果なのか — 心理学的根拠

心理学には「自己効力感」という概念があります。
簡単に言うと、「自分ならできる」という感覚のこと。

この自己効力感が低いと、

  • 行動する前に「どうせ無理」と感じる
  • 頭ではやらなくちゃと思っても体が動かない
  • 怒られたり焦らされたりすると、さらに自信が下がる

という状態になります。

就活が進まない子の多くはサボっているのではなく、
自己効力感が下がっている状態です。

そこに「焦れ」というプレッシャーが加わると、

  • さらに自信がなくなる
  • 就活の話を避けるようになる
  • 家の中で就活がタブー化する

という悪循環に。

親の焦りは火をつけるのではなく、消してしまうのです。

子どもが動き出すときは「責められない環境」

では、どういう時に子どもは動くのか。

それは、
責められない環境に置かれたときです。

  • 話を聞いてもらえる
  • 否定されない
  • 間違っても怒られない
  • 「まずはこれだけやろう」と小さなタスクに落とし込んでくれる

こうした環境に触れると、
これまで固まっていた思考がほどけていき、自分から動き出せるようになります。

親子関係だとどうしても感情が入り、責めているつもりがなくても「圧」になりやすい。
だからこそ、第三者の介入が有効なのです。

次の記事では、
なぜ「第三者が入ると子は素直になるのか」
実体験をもとに詳しく解説します。

▼ 次に読むべき記事

焦らせないことが大切だとわかっても、「じゃあどう行動につなげる?」という疑問が残ります。
その答えが “第三者の介入” です。

第三者が入ると子どもは素直に動き出せる(実体験)

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